マランツが横幅22㎝に「こだわりぬいたHi-FiクオリティのハイパワーClass Dアンプを搭載した」という、HDMI端子搭載の”ワイヤレス・ストリーミング・アンプ”「MODEL M1」が6月に発売されました。
今「MODEL M1」実機の操作性や音質などが気になっている方も多いはず!
そこで今回は、今注目のマランツのアンプ「MODEL M1」について、操作性や音質などをレビュー、そして「MODEL M1」におすすめのスピーカーもご紹介します。
マランツ「MODEL M1」とは?
マランツ「MODEL M1」はどんなアンプ?
アンプの種類で分けると「MODEL M1」はプリメインアンプに分類されます。
プリメインアンプと聞くと、少し前までは音楽の再生に特化したアンプというイメージがありましたが、「MODEL M1」にはeARC対応のHDMI端子が搭載されているので、テレビと接続してテレビ番組に加え動画ストリーミングサービスのコンテンツもHi-Fiクオリティで楽しめます。
「MODEL M1」で音楽コンテンツを楽しむには、独自のネットワーク機能「HEOS」を使用します。
マランツ「MODEL M1」の主な特徴は?
外形寸法は217W x 84H x 239Dmm、質量は2.2㎏という小型な筐体が主な特徴と言えるでしょう。
「MODEL 40n」などのマランツのアンプの外形寸法が443W x 130H x 432Dmmなので、横幅も奥行も約半分のコンパクトサイズにHi-Fiクオリティのサウンドを再生できる技術が詰め込まれています。
このコンパクトサイズにマランツ「MODEL M1」開発サイドの狙いがあります。
マランツの担当者曰く「フルサイズの44㎝は時に奥行きで場所を選ぶため、オーディオラックに置かざるをえない。しかし、今回の22㎝なら一般的なラックなどどこにでも置くことができる。」と語っておられるように、「MODEL M1」は「サイズが大きいから置く場所がない」とこれまでアンプの購入を断念してきたユーザーの救世主とも言えるプリメインアンプなのです。
マランツ「MODEL M1」の実機レビュー。
マランツ「MODEL M1」の実機のレビューを「操作性」「音質」「総評」でまとめてみました。
マランツ「MODEL M1」の操作性のレビュー。
「MODEL M1」の個人的に操作した感じとしては、本体にディスプレイが無いため「MODEL M1」を手の届く範囲に置いたとしても今何の曲がかかっているかはスマートフォンやタブレットのHEOS画面を見ないとわからないため、直感的な視認性という点においては少し煩わしさを感じました。
しかし、”ワイヤレス・ストリーミング・アンプ”である「MODEL M1」は基本的にスマートフォンやタブレットでの操作が必要(リモコンが付属していない。リモコン学習機能は搭載)なので、その点を理解して購入するなら何ら問題点とはならないでしょう。
「MODEL M1」の背面はコンパクトサイズも相まって非常にシンプルでスピーカーケーブルなどの接続が不安な方でも難なく接続できる仕様で、若い世代で一定数いる「良い音を楽しみたいけどケーブルの作業は面倒だから…」と感じているユーザーでも扱いやすいでしょう。
他ユーザーの操作性のレビューもまとめてみました。
リモコンが付いてなく不便かなと思いましたが、使っていないリモコン等で電源オン、オフ、ボリューム、入力切り替えを設定で覚えさせて使える様になるので便利かと思います。
本体はタッチパネル式のボリュームと停止・再生のみ。電源は、停止ボタンの長押しです。
少し不便に感じたのは、amazon musicをM1で聴いた後、
PCサーバーから音を出力すると音が出ません。
HEOSでセレクトする必要があるので、これが面倒です。
HDMIでどうなるかわかりませんが、自動切換えは欲しいと思いました。
本体では音量調整くらいしか操作できず、選曲等は基本アプリ(HEOS)から遠隔操作する。現代スタイルに沿ったある意味割り切った存在。
他のレビューを見てみてもやはり「HEOSアプリ」による遠隔操作が基本なので、その操作に慣れるまでは辛抱が必要でしょう。
逆に今までDENONやマランツのアンプをHEOSアプリで操作してきたユーザーにとっては、慣れ親しんだ操作方法なので煩わしさは感じないでしょう。
マランツ「MODEL M1」の音質のレビュー。
マランツ「MODEL M1」の音質は、この筐体でこの音を出せるのかと驚愕するほどでした。
マランツ「MODEL M1」はBowers & Wilkinsの「801D4」をリファレンスとしてアンプの開発しているので、余裕で鳴らすだろうとは予想していましたが、予想を超えて素晴らしい音を楽しめます。
再生環境は「KEF LS50 Meta」で視聴しましたが、低域から高域まで非常に詳細な音まで緻密に表現されていました。視聴したスピーカーの特徴もありますが、女性ボーカルの高域の伸びに私は引き込まれました。
私がアンプにはまりだした頃は重たくて大きく高いアンプが良いとされていた時代でしたが、実売価格約13万でここまで鳴らす時代が来たんだなと感動します。
他ユーザーの方にはb&wのスピーカーで聞いておられる方も多いと思いますが、私もb&wのスピーカーでも是非聞いてみたいと思わされるアンプです。
他ユーザーの音質のレビューもまとめてみました。
使用環境は、model-M1,B&W705s3をHEOSで聴いております。
pm-12は高域の硬さがあり聴き疲れの印象がありましたが、M1は非常に滑らかで空間も広く音に包まれる感じがします、705s3との相性が良いのかもしれないです。
解像度、SN、音場、音像、トランジェントの高さなどなど音質スペック的な点は全て上位モデルと遜色なし。
加えて、高音の刺さり過ぎず聴きやすく躍動感で音楽的にも聴けてよい。
上位機との音質的違いは、真水(本機)とぬるま湯の違いといった程度であろう。
AI303もクリアでノイズ感が無い音でしたが、M1はより細かい音が聴け
解像度が上がっています。また、AI303の硬かった音が少し丸くなって
聴きやすくなりました。AI303は素直な音、M1は音楽的な色付けをしている感じです。
意見は分かれると思いますが、デスクトップ上ではBGM的に聴くことが
多いので私はM1のほうが好みです。
マランツ「MODEL M1」の総評。
マランツ「MODEL M1」の総評は端的言うと「フルサイズのプリメインアンプに匹敵するHi-Fiサウンド」を実現するというモデルという宣伝文句に劣らない内容のアンプです。
実際視聴した感じは、確かにHi-Fiクオリティのサウンドでしたし、ノイズが気になるとか、何か物足りないという印象は受けませんでした。合わせるスピーカーによって音のキャラクターは変わりますが、よほど安価スピーカーでなければ、十分Hi-Fiクオリティのサウンドを楽しめます。
本体のつくりはアルミのベースプレートにメイン基板などを載せ、周囲を囲う筐体部分は樹脂、天板はステンレス製のメッシュなので、ピュアオーディオの方々からはチープだと思われるかもしれません。しかし、それぞれのパーツを使用している理由がもちろんあり、天板のメッシュに至っては廃熱効果抜群なので、「廃熱は音質向上にとても重要だし、今後全部これでいいのでは?」と思うほど。
外観だけをみて判断するのではなく、是非音を聞いてほしい、そんな1台でした。
「MODEL M1」におすすめなスピーカーはこれ!
ここからは「MODEL M1」におすすめなスピーカーについて触れていきたいと思います。
「MODEL M1」におすすめなスピーカーを選ぶうえで重要なポイントは、
- インピーダンス。
- 再生周波数帯域。
- 定格出力。
まずは上記3つのスペックは理解しておきましょう。
1.インピーダンス。
「MODEL M1」のインピーダンスは、4~16Ωとなっています。
この数値以外のスピーカーを選ぶとアンプとスピーカーのどちらかもしくは両方に負荷がかかり過ぎて良い音を楽しめません。
2.再生周波数帯域。
再生周波数帯域とは、低音から高音までの再生できる音の範囲です。
スピーカー側のスペックの低域が60Hz以下から始まれば低音を楽しめると言われています。
3.定格出力。
スピーカーを選ぶときに注意しなくてはいけない点は、AVアンプの定格出力とスピーカー側の対応出力のバランスです。
例えば、スピーカーの推奨アンプ出力より大幅にAVアンプの出力が低いと、スピーカーからの音は弱弱しくなります。↓
逆に、スピーカーの推奨アンプ出力よりAVアンプの出力が大きすぎると音量を大きくした時にスピーカー自体の故障を招くので注意が必要です。↓
※スピーカーの出力が低いと使用できないわけではありません。
上記の3つのポイントを踏まえて「MODEL M1」におすすめなスピーカーをご紹介します。
DALI「MENUET MR」
DALIのブックシェルフスピーカーで「MODEL M1」におすすめなスピーカーは「MENUET MR 」です。
「MENUET MR 」はDALIの中では中堅のスピーカーと言えるかもしれません。
このスピーカーは中音域に特徴があり、女性ボーカル好きの方には特におすすめ!
価格はペアで約98000円ほどです。
スペック
推奨アンプ出力 | 20W-100W |
インピーダンス | 4Ω |
再生周波数帯域 | 59Hz-25kHz |
デザイン
「MENUET MR 」のデザインは落ち着いた色を用いていて、木の質感も高級感のある仕上がりです。
サイズは高さ 250 × 幅 150 × 奥行 230mmなので、コンパクトなためデスクトップオーディオとして使用しておられるユーザーも多数うおられます。
インテリアの雰囲気をグッと引き上げてくれる高級感をまとったスピーカーです。
音質
「MENUET MR 」は全音域でバランスの取れたサウンドを鳴らしてくれます。
特に中音域に定評があり、評価通り女性ボーカルの艶のある雰囲気を見事に表現してくれます。
高音域も伸びがあり、聴いていて心地よく透明感があります。
低音域はメインとなる60Hzあたりの音の圧も十分です。
クラシックやアコースティック、ゆったりしたサウンドが特徴の曲において本領を発揮してくれる印象です。半面、テクノ系のサウンドには不向きな印象です。
KEF「LS50 Meta」
KEFから「MODEL M1」に是非おすすめしたいスピーカーは「LS50 Meta」です。
価格は約168000円ほど。
メタマテリアル技術を採用した世界初のスピーカーで、スピーカー背面へのノイズや不要なサウンドを99パーセント削減して、ピュアなサウンドのみを前方から出す革新的なスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 40W-100W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 47Hz~45kHz |
デザイン
説明の必要がないほどスタイリッシュで完成されたフォルムのスピーカーです。
「MODEL M1」も非常にコンパクトでラウンドの効いたフォルムなので、一体感もあり、何より全てをコンパクトに収めることができます。
音質
スペック上45khzもの高音まで出せる「LS50 Meta」は、高音域に余裕があるため、キンキン鳴るような高音ではなく、これまで聞こえていなかった音を繊細に表現してくれるイメージです。
ボーカルのメインとなる中域の音も定位が非常にしっかりしており、そこにボーカルが立っていることをリアルにイメージできます。
この価格帯のスピーカーであれば「MODEL M1」との相性が一番良いように感じるスピーカーです。
DALI「OBERON5」
DALIから「MODEL M1」におすすめしたいトールボーイスピーカーは「OBERON5」です。
このスピーカーは
究極のパフォーマー
と紹介されているトールボーイスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 30~150W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 39Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×830×283 |
デザイン
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非常に精錬されたデザイン、サイズも高さ830mm × 幅162mm× 奥行283mmとトールボーイ型スピーカーの中では比較的コンパクトなので、リビングルームだけでなく、寝室でも家具が少ないなら圧迫感なく置けます。
音質
「OBERON5」は、ピアノの伴奏とボーカルの帯域の表現力の高さが多くの方に高く評価されています。
低音域は深みがあり、オルガンやコントラバスなどの低い音も見事に表現してくれます。
中音域はクリアな印象で、それぞれの音がはっきりわかれて聴こえるのが、好印象でした。
また、「OBERON5」は広い指向性を持っているのも特徴です。
一つのスポットでしかベストサウンドを楽しめないということはなく、広いスポットで楽しめます。
「MODEL M1」をリビングルームで使用するなら、映画やライブを見ているとき、リビングのどこにいてもベストサウンドを聴けるのは魅力的です。
高音質のライブサウンド、R&B、女性ボーカルメインの楽曲が好きな方におすすめです。
B&W「607 S2 AE」
B&W(Bowers & Wilkins)はイギリスの企業B&W Group Ltdによって製造される高級スピーカー専業ブランド。
そのブランドのエントリーモデルの「607 S2 AE」は、同社のフラッグシップラインである「800 D3シリーズ」に搭載された最新技術が盛り込まれたモデルです。
スペック
推奨アンプ出力 | 30W-100W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 40Hz-33kHz |
デザイン
エントリーモデルとはいえ、そこはイギリスの高級スピーカー専業ブランド。
非常に質感が高く、「607 S2 AE」を置くだけでインテリアの雰囲気も上がる、高級感あふれるデザイン。サイズは外形寸法は165W×300H×231Dmm。
音質
「607 S2 AE」が「MODEL M1」におすすめな一番の理由は、エントリーモデルとは思えないほどの音のクオリティの高さです。音の解像感が高く、精緻で厳格な描写が楽しめます。また、音切れが良くレスポンスも爽快。
低音はブックシェルフスピーカーでは、鳴らすのが難しいと言われていますが、「607 S2 AE」は低音の再生周波数帯域が広い分、音の広がりや空気の伝わり方も豊かで、低音域がぼやけることなく引き締まった音を響かせてくれます。
ベースやバスドラムのサウンドがぼやけることなく、しっかりと描かれています。
「607 S2 AE」は音を聴いてるとき、スピーカーから聴こえてくる感覚ではなく、各楽器の音像や音色が映像として聞こえてくる印象です。
クラッシックやジャズなどの楽曲はもちろん、2ch構成で十分過ぎるほど、映画の迫力のサウンドを届けてくれます。
TANNOY「Platinum B6」
TANNOYはイギリスで創業された90年以上の歴史をもつ老舗オーディオブランド。その中の「Platinum B6」はエントリークラスに属する「Platinum」シリーズのモデルです。
スペック
推奨アンプ出力 | 20W-80W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 50Hz-20kHz |
デザイン
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ツートンカラーが印象的な「Platinum B6」。おしゃれでスタイリッシュなデザインなので、リビングルームに置いても、インテリアの雰囲気を損なうことはありません。
サイズは幅230 × 高さ360 × 奥行235 mm。
音質
「Platinum B6」は実際にコンサートホールで聴いているかのような音の響きとして伝え、臨場感を味わえる音を届けてくれます。表情が豊かで聴いていて楽しいスピーカーです。
その臨場感や表情を表現しているのが、1インチのシルクドームツイーターと6.5インチのマルチファイバーペーパーコーンです。シルクドームツイーターはスムーズな音色でボーカルや楽器を細部まで正確に表現し、ペーパーコーンは低域を柔らかく厚みのある音として表現してくれます。
「Platinum B6」はB&W 「607」と対照をなすスピーカーで、ハキハキと、くっきりした印象を与えるB&W「 607」に対し、「Platinum B6」柔らかく包み込むような、情感あふれるサウンドが魅力です。
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