全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載した9.4ch AVサラウンドレシーバーDENON「AVR-X3800h」。
エントリーモデルのAVアンプからのステップアップ機種として「AVR-X3800h」の購入を検討しておられる方も多いはず。
しかし、多くの方が頭を抱えるのは「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーは何なのか?
ということ。
そこで今回は、「AVR-X3800h」のスペックに合致したスピーカーをいくつか選び、さらに音質や特徴を比較考量した中から「AVR-X3800h」にピッタリでおすすめのスピーカーをご紹介します。
「AVR-X3800h」にはどんなスペックのスピーカーがおすすめなのか?
まず、「AVR-X3800h」のスペックの中からおすすめのスピーカーを選ぶために必要な項目を見てみましょう。
「AVR-X3800h」のスペックを分析
スピーカーを選ぶ際に「AVR-X3800h」のスペック注目していただきたい項目は、
- 「定格出力」
- 「インピーダンス」
- 「周波数帯域」
の3点です。
「AVR-X3800h」の「定格出力」、「インピーダンス」、「周波数帯域」 | |
定格出力(フロント、センター、サラウンド、サラウンドバック共通) | 105W(2ch、20Hz~20kHz、8Ω) 135W(1kHz、6Ω) |
インピーダンス | 4-16Ω |
周波数帯域 | 10Hz~100kHz |
上記が「AVR-X3800h」の「定格出力」、「インピーダンス」、「周波数帯域」です。
おすすめのスピーカーを選出する前にこれら3つの項目の意味を理解しておきましょう。
「定格出力」
定格出力とは、安定して出力できる最大値のこと。
「AVR-X3800h」の定格出力は105W(2ch、20Hz~20kHz、8Ω)、135W(1kHz、6Ω)となっています。つまり、インピーダンスが8Ωの時105W、6Ωの時135Wということです。105W~135Wという値は、ミドルクラスのAVアンプとして十分な定格出力と言えます。
スピーカーを選ぶときに注意しなくてはいけない点は、AVアンプの定格出力とスピーカー側の対応出力のバランスです。
例えば、スピーカーの推奨アンプ出力より大幅にAVアンプの出力が低いと、スピーカーからの音は弱弱しくなります。↓
逆に、スピーカーの推奨アンプ出力よりAVアンプの出力が大きすぎると音量を大きくした時にスピーカー自体の故障を招くので注意が必要です。↓
また、一般的にスピーカーはアンプの定格出力の2倍のものを選ぶと良いとされています。
そこで、「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーを選ぶための1つ目の基準は、スピーカーの「推奨アンプ出力が105W-270Wのもの」がおすすめ。
※スピーカーの出力が低いと使用できないというわけではありません。
インピーダンス
インピーダンスとは、スピーカー内部の回路を信号が流れるときの電気抵抗のことです。
インピーダンスの単位は「Ω(オーム)」で、数値が大きいほど抵抗が大きく、電気信号が流れにくくなり、逆に数値が小さいと抵抗が小さいので電気信号は流れやすくなります。
スピーカー選びで注意したいのは、「AVR-X3800h」の適合インピーダンスは4-16Ωなので、4Ωより下のスピーカーは選ばないことです。
適合インピーダンスよりスピーカーのインピーダンスが低いと故障の原因になります。
また、高すぎるとノイズの原因になるので、音質の劣化を招きます。
それで、「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーを選ぶための2つ目の基準は、「スピーカーのインピーダンスが4 – 16Ωのもの」がおすすめ。
周波数特性
周波数特性(周波数帯域)とは、アンプやスピーカーがどれほど低い音から高い音まで鳴らすことができるかを指しています。
「AVR-X3800h」の周波数特性は10Hz~100kHzですが、一般的にスピーカー側の周波数特性は60Hzよりも低い音を出せれば、十分に低音を再生できるスピーカーと言えます。
また個人差もあるところですが、周波数特性がより低いHzから出るスピーカーは、スピーカーから伝わる空気感にも違いが出てくると言われています。
今回の「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーを選ぶための3つ目の基準は、「スピーカーの周波数特性が60Hzより下から対応しているのもの」がおすすめ。
「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーを選ぶための基準のまとめ
①推奨アンプ出力が105W-270W。
②インピーダンスは4 – 16Ω。
③周波数特性が60Hzより下。
以上の基準から、「AVR-X3800h」の機能を最大限に引き出せるおすすめスピーカーをご紹介します。
「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーはこれ!
数多くあるスピーカーのスペックや音質などを試聴し比較検討した中から、上記の基準を含め実際に「AVR-X3800h」にピッタリな、おすすめなスピーカーをご紹介します。
SONY「SS-CS3」
まず初めに「AVR-X3800H」におすすめなスピーカーはSONYの「SS-CS3」です。
SONYの「SS-CS3」は、
心震わせるボーカルを実現するために
をコンセプトに設計されたエンクロージャーをもつハイレゾ対応のベーシックモデルの3ウェイトールボーイ型スピーカー。
本体の剛性を高めるために17か所もの補強を施し、価格からは想像もできないほどの高品位なサウンドを響かせます。
スペック
推奨アンプ出力 | 145Wまで |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 45Hz – 50kHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 230 x 922 x 260 |
デザイン
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カラーは落ち着いたブラックで、どこにでも置きやすいサイズ感とデザインです。
音質
おすすめの「SS-CS3」はペアで約3万の価格と非常にリーズナブルですが、非常に満足度の高い音を楽しめます。
スピーカー自体の剛性が高いので、低域にもしっかりと輪郭を感じられます。またリビングのどこに座っても最適な高音域を聴かせてくれる公指向性スーパートゥイーターも搭載されていて、その点も「AVR-X3800h」の特性を良く生かしています。
サラウンド環境するならこのスピーカーがおすすめ!
「AVR-X3800h」は是非リアルサラウンドを楽しんでいただきたい一台なので、サラウンド環境を整えるなら、下記のスピーカーの組み合わせがおすすめです。
センタースピーカー「SS-CS8」。
イネーブルドスピーカー「SS-CSE」
サブウーファー「SA-CS9」。
リアスピーカー「SS-CS3」
トールボーイスピーカーではなく、ブックシェルフスピーカーの「SS-CS5」にするのもおすすめです。
JBL「Stage A130」
次に「AVR-X3800H」におすすめのスピーカーは「Stage A130」です。
重低音のパワフルなサウンドが好みなら「Stage A130」がおすすめです。
「Stage A130」はアメリカの企業、ハーマンインターナショナルのJBLブランドのSTAGEシリーズのブックシェルフスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 125Wまで |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 55Hz – 40kHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 190 x 321 x 245 |
デザイン
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デザインはシックなので、リビングや寝室、書斎に置いても馴染みやすく、悪目立ちすることはありません。
音質
JBLのスピーカー「Stage A130」は、その低コストからは想像できないほどの全音域の解像度は高さが魅力です!特に低域のサウンドは素晴らしいです。
「Stage A130」の低域のサウンドは素晴らしさの秘訣は、JBLの特徴でもあるバスレフ型スピーカーが重低音にあります。
そして、JBLはプロ向けのスピーカーを多く扱っているブランドのため、「Stage A130」にもプロ用の技術を組み込まれており、同価格帯のスピーカーに比べパワフルなサウンドを響かせてくれます。
サラウンド環境にするならこのスピーカーがおすすめ!
フロント&リアスピーカー「Stage A130」
センタースピーカー「STAGE A125C」
サブウーファー「STAGE SUB A100P」
サラウンド環境を整えるなら同じ「STAGEシリーズ」で統一するのがおすすめです。
シリーズで統一すると、音のバランスもインテリアとしても統一感があるので、一石二鳥。
JBLの迫力のあるサウンドで映画や音楽の音質をグレードアップしてみましょう。
Polk Audio「Monitor XT MXT60」
次に「AVR-X3800h」におすすめなスピーカーは、2020年に日本市場へ再上陸したアメリカのスピーカーブランドPolk Audioの「Monitor XT MXT60」です。
このスピーカーもコストパフォーマンスが非常に高く、トールボーイスピーカー2本が約5万円でそろいます。
スペック
推奨アンプ出力 | 25~200W |
インピーダンス | 4Ω |
再生周波数帯域 | 38Hz-40kHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 229×925×251 |
音質
Polk Audioのスピーカー作りの発端は、
学生の自分たちでも買える良いスピーカーを作ろう
という考えからスピーカー開発をスタート。
「値段を抑えたい。でも良い音を」と思われる方におすすめです。
音質はアメリカらしくパワー系かと思いきや、人の声のナチュラルさ、アコースティックのあたたかい音を見事に表現してくれます。
サラウンド環境にするならこのスピーカーがおすすめ!
フロントスピーカー「Monitor XT MXT60」
センタースピーカー「Monitor XT MXT35」
サラウンドスピーカー「Monitor XT MXT15」
イネーブルドスピーカー「Monitor XT MXT90」
サブウーファー「Monitor XT MXT10」
DALI「OBERON5」
DALIから「AVR-X3800H」におすすめしたいトールボーイスピーカーは「OBERON5」です。
このスピーカーは
究極のパフォーマー
と紹介されているトールボーイスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 30~150W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 39Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×830×283 |
デザイン
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非常に精錬されたデザイン、サイズも高さ830mm × 幅162mm× 奥行283mmとトールボーイ型スピーカーの中では比較的コンパクトなので、リビングルームだけでなく、寝室でも家具が少ないなら圧迫感なく置けます。
音質
「OBERON5」は、ピアノの伴奏とボーカルの帯域の表現力の高さが多くの方に高く評価されています。
低音域は深みがあり、オルガンやコントラバスなどの低い音も見事に表現してくれます。
中音域はクリアな印象で、それぞれの音がはっきりわかれて聴こえるのが、好印象でした。
また、「OBERON5」は広い指向性を持っているのも特徴です。
一つのスポットでしかベストサウンドを楽しめないということはなく、広いスポットで楽しめます。
映画やライブを見ているとき、リビングのどこにいてもベストサウンドを聴けるのは魅力的です。
高音質のライブサウンド、R&B、女性ボーカルメインの楽曲が好きな方におすすめです。
サラウンド環境にするならこのスピーカーがおすすめ。
「OBERON5」をメインに「AVR-X3800h」のサラウンド環境を整えたい方に、一番おすすめの組み合わせは下記の通りです。
フロントスピーカー「OBERON5」
サラウンドスピーカー「SPEKTOR1」
センタースピーカー「OBERON VOKAL」
サブウーファー「SUBE-9N」
Klipsch「Reference R-820F」
オンキヨー&パイオニアが、「Klipsch」ブランドより発表したフロアスタンディングスピーカー「Reference R-820F」。
2chだけで、十分なポテンシャルをもつスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 150W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 35Hz~21KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 277×1093×443 |
音質
Klipsch「Reference R-820F」はなんといってもKlipsch独自の技術であるTractrix(トラクトリクス)ホーンが使用されたアルミニウムLTSツイーターの広指向特性と20.32cmのIMGウーファー×2からのパワフルなサウンドが魅力です。
リビングに設置することが多い「AVR-X3800h」。リビングではどうしても壁や障害物に音が当たり余計な残響音が起こることがありますが、「Reference R-820F」であれば、Tractrix(トラクトリクス)ホーンがリスナーへ的確な音を届けてくれます。
また、20.32cmのIMGウーファーも低音域も見事に鳴らしてくれるので、「AVR-X3800h」から流れる可聴帯域より低い音も鳴らすので、全体的な音の解像度、密度が非常に高いものになります。
サラウンド環境にするならこのスピーカーがおすすめ。
映画などのメディア再生に使用することが多い「AVR-X3800h」。
サラウンド環境を構成するなら同じReferenceシリーズがおすすめです。
センタースピーカー「R-52C」。
ブックシェルフスピーカー「R-51M」。
サブウーファー「R-120SW」。
また、KlipschのReferenceシリーズにもイネーブルドスピーカーがあるので、質の高いオブジェクトオーディオを楽しみたい方には是非おすすめです。
イネーブルドスピーカー「R-41SA」。
まとめ
「AVR-X3800h」は、エントリーモデルのAVアンプでは物足りなくなった方の音への欲求不満を十分満たしてくれるAVアンプです。
しかし、その音もスピーカー次第で大きく変わってきます。今回おすすめしたスピーカーはどれも「AVR-X3800h」の性能を十分に発揮してくれるスピーカーですが、スピーカーの音には個人個人の好みがあります。
それぞれのスピーカーの音の特徴をよく知って、ご自身の耳にピッタリなスピーカーをチョイスしてみてください。
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