2024年6月1日にHT-A7000の後継機、「HT-A9000(BRAVIA Theater Bar 9)」(以下HT-A9000)が発売されました。
HT-A9000が発売されたことで、
- HT-A7000と何が違うのか?
- 性能はどの程度良くなったのか?
- 追加された機能があるのか?
といろいろ気になっておられる方も多いはずです。
そこで今回の記事では、HT-A7000とHT-A9000を比較し、2つのサウンドバーの性能やサイズ、価格など様々な違いについてご説明します。
- HT-A7000とHT-A9000を比較。
- HT-A9000はサウンドバー単体で「360 Spatial Sound Mapping」に対応。
- HT-A9000は13基のスピーカーユニットを搭載。
- HT-A9000は内蔵サブウーファーが無くなり、4基のパッシブラジエーターを搭載。
- センター・L・Rスピーカーはツイーターとウーファーの2ウェイ構成スピーカーに変更。
- 新たにサイドスピーカーも搭載。
- HT-A9000にリアスピーカーの出力調整範囲が変更。
- 体積は36%もスリムに!
- 新アプリ「BRAVIA Connect」に対応。
- 自動音場最適化機能がブラッシュアップ。
- 圧縮音源をAI分析でアップスケールするDSEEもバージョンアップ。
- 「サウンドフィールド」機能搭載。
- HT-A9000の本体価格が22000円アップ。
- まとめ
HT-A7000とHT-A9000を比較。
HT-A7000とHT-A9000の機能や性能などを比較して、どんな違いがあるのか確認していきましょう。
HT-A9000はサウンドバー単体で「360 Spatial Sound Mapping」に対応。
HT-A7000とHT-A9000の違い①
HT-A9000は単体で立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に対応。
HT-A7000はリアスピーカーを追加することで「360 Spatial Sound Mapping」に対応。
HT-A7000とHT-A9000を比較した時の一番大きな違いは、HT-A9000がサウンドバー単体でソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に対応したことです。
HT-A7000は、オプションアイテムであったワイヤレスリアスピーカー※と組み合わせることで「360 Spatial Sound Mapping」に対応していましたが、HT-A9000ではサウンドバー単体で「360 Spatial Sound Mapping」に対応となりました。
※SA-RS5、SA-RS3S。
「360 Spatial Sound Mapping」はバーチャルサラウンド(心理音響技術による錯覚)とは違い、実際に最大12個のファントムスピーカーを12個を生成できますが、HT-A9000単体の場合は前面から側方にかけて5つのファントムスピーカーを生成することで、前面から側方へ音に包まれている感覚を作り出します。
HT-A9000は13基のスピーカーユニットを搭載。
HT-A7000とHT-A9000の違い②
HT-A9000はスピーカーユニットが13基搭載されている。
HT-A7000はスピーカーユニットが11基。
次にスピーカーの構成に関してHT-A7000とHT-A9000を比較してみましょう。
スピーカーの構成はHT-A7000は11基搭載されていましたが、HT-A9000には2基多い13基構成です。
スピーカーの内訳はツイーター×3、ウーファー×4、イネーブルドスピーカー(フルレンジ)×2、サイドスピーカー×2、ビームツイーター×2。
さらにパッシブラジエーター×4基搭載されています。
この内ウーファー、イネーブルドスピーカー、サイドスピーカーはソニー独自開発の「X-Balanced Speaker Unit」で構成されています。
「X-Balanced Speaker Unit」については下の図をご覧ください。
「X-Balanced Speaker Unit」はスピーカー本体はコンパクトなまま振動板面積を拡大することで、そうでないサウンドバーと比べ次のような効果が期待されます。
- 振動板拡大により音圧がアップ。
- 歪みが少なくクリアな音質になる。
- 低音が安定し、輪郭のある低音になる。
HT-A9000は内蔵サブウーファーが無くなり、4基のパッシブラジエーターを搭載。
HT-A7000とHT-A9000の違い③
HT-A9000はデュアルサブウーファーがなし。4基のパッシブラジエーターを搭載。
HT-A7000はデュアルサブウーファー。
スピーカーに関してHT-A7000とHT-A9000を比較した時の大きな違いは、内蔵サブウーファーが撤廃され、かわりに4基のパッシブラジエーターが搭載されたことです。
内蔵サブウーファーのかわりに4基ある低音増強用のパッシブラジエーターにより十分な低音再生を実現しています。
とは言え、サブウーファーを追加することで本来HT-A9000が再生を担当する低音部分をサブウーファーが受け持つため、サウンドバー側のウーファーが担当する低音域の負荷が小さくなり中高音域の音質が向上するので、より良い音質を求めるならワイヤレスサブウーファーの「SA-SW3」や「SA-SW5」は必須アイテムです。
センター・L・Rスピーカーはツイーターとウーファーの2ウェイ構成スピーカーに変更。
HT-A7000とHT-A9000の違い④
HT-A9000はセンターに大口径ツィーター、フロントL・Rにもツィーターを搭載。
HT-A7000はセンター、フロントL・R共にツィーター非搭載。
さらにスピーカーに関してHT-A7000とHT-A9000を比較していきましょう。
HT-A9000前面パネルにあるセンター・L・Rのスピーカーも、前のモデルから大きく変更されています。
センターは新開発の大口径22mmの大型ツイーターと45×90mm「X-Balanced Speaker Unit」のウーファーの2ウェイ構成。
フロントL・Rにはハイレゾ対応の高解像度10mmソフト・ドーム・ツイーターを搭載、フロントL・Rも45×90mm「X-Balanced Speaker Unit」のウーファーとの2ウェイ構成。
この変更点により、前のモデルに比べ高域・中域の音がクリアに再生できるようになるので、映画やドラマなどでのセリフやボーカルがより聞こえやすくなっています。
新たにサイドスピーカーも搭載。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑤
HT-A9000はサイドスピーカーを追加。
HT-A7000はビームツイーターのみ。
HT-A7000とHT-A9000の側面のスピーカーについて比較してみましょう。
HT-A7000ではサイドの音はビームツイーターのみが担っていましたが、HT-A9000ではビームツイーターに加え新たにフルレンジ・46×90mm「X-Balanced Speaker Unit」のサイドスピーカーが追加されました。
これによりHT-A9000は側面からフルレンジのサラウンド成分を再生、ビームツイーターには指向性の高い高音域を再生することで、より立体的で豊かな音サラウンドを楽しむことができます。
HT-A9000にリアスピーカーの出力調整範囲が変更。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑥
HT-A9000はリアスピーカーの出力調整範囲が+10dBにアップ。
HT-A7000はリアスピーカーの出力調整範囲が+6dB。
HT-A9000もHT-A7000と同様でオプションスピーカーであるワイヤレスリアスピーカーとワイヤレスサブウーファーの両方を追加することができます。
ここでのHT-A7000とHT-A9000の違いは、HT-A7000がリアスピーカーの出力調整範囲が+6dBだったのに対し、HT-A9000では+10dbにアップしています。
ワイヤレスリアスピーカーとワイヤレスサブウーファーを使用することでHT-A9000単体での「360 Spatial Sound Mapping」再生よりさらにファントムスピーカーが増え、臨場感が増します。
対応しているリアスピーカーはSA-RS3SとSA-RS5の2つ。
SA-RS3Sは電源に接続する必要があり、イネーブルドスピーカーは非搭載。
SA-RS5はバッテリー内蔵で最大10時間使用可能。イネーブルドスピーカー搭載。
リアスピーカーの種類によってファントムスピーカーの数が変わる点は覚えておきましょう。
下図参照。
SA-RS3SとサブウーファーをHT-A9000に追加した場合、ファントムスピーカーは9ch生成されます。
SA-RS5とサブウーファーをHT-A9000に追加した場合、ファントムスピーカーは11ch分生成されます。
SA-RS5にはイネーブルドスピーカーが搭載されているため、主に天井からの音がSA-RS3Sより増加します。
体積は36%もスリムに!
HT-A7000とHT-A9000の違い⑦
HT-A9000はHT-A7000と比べ高さ-16mm、奥行-29mmスリムに。
HT-A7000とHT-A9000のサイズ比較表 | |||
HT-A7000 | HT-A9000 | 差 | |
横幅 | 1300mm | 1300mm | ±0 |
高さ | 80mm | 64mm | -16mm |
奥行 | 142mm | 113mm | -29mm |
HT-A9000はHT-A7000に比べ36%のスリム化しました!
内蔵サブウーファーがなくなり、パッシブラジエーターに変更されたことで高さと奥行がスリムになり、HT-A7000に比べ格段に設置しやすくなりました。
新アプリ「BRAVIA Connect」に対応。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑧
HT-A9000はアプリ「BRAVIA Connect」に対応。
HT-A7000とHT-A9000の機能面をさらに比較していきましょう。
HT-A9000から新しいアプリ「BRAVIA Connect」に対応しました。
このアプリはサウンドバーの操作やおすすめの機能、アップデート情報、セットアップや困りごとにも対応しています。
上述したワイヤレスリアスピーカーやサブウーファーを接続した場合にも、このアプリからセットアップが可能。設置位置に応じて音場を最適化できます。
自動音場最適化機能がブラッシュアップ。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑨
HT-A9000は自動音場最適化機能を用いて、視聴位置に応じた音響特性の最適化に対応。
HT-A9000は、HT-A7000にも搭載されていた自動音場最適化機能がブラッシュアップされています。
自動音場最適化機能とは、内蔵キャリブレーションマイクを使用し、サウンドバーから天井や側壁までの距離、追加しているならリアスピーカーまでの距離を測定し、どんな位置にスピーカーを置いていても理想的な音響特性を再現する機能。
HT-A9000ではさらに視聴位置に応じた音響特性の最適化にも対応になりました。
これにより自宅の視聴環境にぴったりな音響を楽しめます。
圧縮音源をAI分析でアップスケールするDSEEもバージョンアップ。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑩
HT-A9000はダイナミックレンジ32bit対応の「DSEE Ultimate」。
HT-A7000では「DSEE Extreme」、ダイナミックレンジは24bit。
HT-A7000では「DSEE Extreme」でしたが、HT-A9000では「DSEE Ultimate」にバージョンアップ。
DSEEとは、膨大な音楽データを学習しているソニー独自のAI(人工知能)が圧縮音源の周波数特性をリアルタイムに分析し、楽曲のジャンルや楽器などの情景に合わせて、失われた本来の高解像度音源をハイレゾ相当の音質までアップスケールします。
「DSEE Extreme」はダイナミックレンジが24bitまででしたが、「DSEE Ultimate」は32bitまでになり、さらに繊細な音声を表現することができます。
「サウンドフィールド」機能搭載。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑪
HT-A9000は「サウンドフィールド」機能が追加。
新たな機能が「サウンドフィールド」機能。
リモコンにある「サウンドフィールド」と書かれたボタンを押すことで、どんなジャンルでも立体的で音に包まれる体験ができます。
HT-A9000の本体価格が22000円アップ。
HT-A7000とHT-A9000の違い⑫
HT-A9000のメーカー希望小売価格209,000円。
HT-A7000のメーカー希望小売価格187,000円。
本体価格がHT-A7000は187,000円だったのに対し、HT-A9000は209,000円と22,000円アップしています。
しかし、今まで60,000円以上するオプションのリアスピーカーを追加しないと使用できなかった「360 Spatial Sound Mapping」が、HT-A9000は単体で再生できる点、そして、搭載されているスピーカーのアップデート内容を考えると、この22,000円という額もそこまで大きいものではないのかもしれません。
まとめ
HT-A7000とHT-A9000を比較し、2つのサウンドバーの違いについてご説明してきました。
比較してみた結果、大きくわけて12個の性能や機能、その他の違いがありましたが、その内容はHT-A7000が発売されてから約3年ほどしか経っていないことを考えると充実したアップデート内容だと言えます。
ここでHT-A7000とHT-A9000の12個の主な違いをまとめおきましょう。
HT-A9000に追加された機能や性能のまとめ
①単体で立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に対応。
②スピーカーユニットが13基搭載されている。
③デュアルサブウーファーがなし。4基のパッシブラジエーターを搭載。
④センターに大口径ツィーター、フロントL・Rにもツィーターを搭載。
⑤サイドスピーカーを追加。
⑥リアスピーカーの出力調整範囲が+10dBにアップ。
⑦HT-A7000と比べ高さ-16mm、奥行-29mmスリムに。
⑧アプリ「BRAVIA Connect」に対応。
⑨自動音場最適化機能を用いて、視聴位置に応じた音響特性の最適化に対応。
⑩ダイナミックレンジ32bit対応の「DSEE Ultimate」。
⑪「サウンドフィールド」機能が追加。
⑫HT-A9000のメーカー希望小売価格209,000円。(22,000円アップ)
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