音質へのこだわりが凄いアンプ、マランツ「M-CR612」。
パラレルBTLドライブという特異な機能を搭載し、非常に人気のアンプです。
このアンプには、バイアンプ接続の機能も搭載しているので、スピーカー選びを悩んでおられる方も多いはず!
そこで今回は、様々なスピーカーのスペックを調べ比較した中から「M-CR612」にピッタリな、おすすめスピーカーをご紹介します。
「M-CR612」には、どんなスペックのスピーカーがおすすめなのか?
まずは「M-CR612」のスペックの中からスピーカー選びのために必要な項目を見てみましょう。
「M-CR612」のスペックを分析
スピーカー選びには考えなければいけない基準がたくさんありますが、「M-CR612」のスペックの中でもスピーカーを選ぶ際に不可欠な情報である「定格出力」、「インピーダンス」、「周波数特性」に注目してスピーカーを選びたいと思います。
・「M-CR612」の「定格出力」、「インピーダンス」、「周波数特性」
適合インピーダンス:4~16Ω
周波数特性:10Hz~40kHz
「定格出力」、「インピーダンス」、「周波数特性」から、おすすめなスピーカーを選ぶための基準をご説明します。
「M-CR612」におすすめなスピーカーを選ぶための基準
定格出力
「M-CR612」の定格出力は全て50Wになっています。
定格出力とは、安定して出力できる最大の値が50Wということ。
50Wでは出力が足りないのでは?と思われるかもしれませんが、一般的な自宅で聴く分には50Wあれば全然問題ありません。
しかし、スピーカー側の対応出力の値が低いと最大限にAVアンプ側の出力を上げた時にスピーカーが壊れる危険があるので注意が必要です。
また、一般的にスピーカーはアンプの最大出力の2倍のものを使うと良いとされています。
そこで、「M-CR612」におすすめなスピーカーを選ぶための1つ目の基準は、スピーカーの「推奨アンプ出力が50-100Wのもの」がおすすめ。
インピーダンス
インピーダンスは、スピーカー内部の回路を信号が流れるときの電気抵抗のことです。
インピーダンスの単位は「Ω(オーム)」で、数値が大きいほど抵抗が大きく、電気信号が流れにくく、数値が小さいと流れやすくなります。
「M-CR612」の適合インピーダンスは4-16Ωなので、注意が必要なのは4Ωより下のスピーカーは選ばないことです。この適合インピーダンス範囲内のものであれば大丈夫です。
それで、「M-CR612」におすすめなスピーカーを選ぶための2つ目の基準は、スピーカーの「インピーダンスが4 – 16Ωのもの」がおすすめ。
周波数特性
「M-CR612」の周波数特性は10~40kHzですが、一般的にスピーカー側の周波数特性は60Hzよりも低い音を出せれば、十分に低音を再生できるスピーカーと言えます。また、個人差もあるところですが、周波数特性がより低いHzから出ると、スピーカーから伝わる空気感にも違いが出てくると言われています。
今回の「M-CR612」におすすめなスピーカーを選ぶための3つ目の基準は、スピーカーの周波数特性が60Hzより下のものがおすすめ。
「M-CR612」におすすめスピーカー選びの基準のまとめ
①推奨アンプ出力が50-100W。
②インピーダンスは4 – 16Ω。
③周波数特性が60Hzより下。
以上の基準から、「M-CR612」の機能を最大限に引き出せるおすすめスピーカーをご紹介します。
「M-CR612」におすすめなスピーカーはこれ!
数多くあるスピーカーのスペックや音質などを試聴し比較検討した中から、上記の基準を含め実際に「M-CR612」にぴったりな、おすすめなスピーカーをご紹介します。
DALI「SPEKTOR1」
まず最初におすすめしたいスピーカーはDALI「SPEKTOR1」です。
DALIはデンマークで設立されたハイエンドスピーカーブランドで、日本でも非常に人気のあるスピーカーブランドの1つです。
「SPEKTOR1」はDALIのサウンドとデザインをリーズナブルな価格で実現しているモデルです。
スペック
DALI「SPEKTOR1」の推奨アンプ出力は40~100W。インピーダンスは6Ω、再生周波数帯域は59Hz~26kHz。
デザイン
DALI「SPEKTOR1」はウォルナット・ホワイト・ブラックの3色で販売しており、家の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
サイズは幅140mm x 高さ237mm x 奥行195 mmと非常にコンパクトなので、ワンルームや書斎などでも置きやすいサイズ感です。
シルク・ドーム・ツィーターやウーハーユニットの質感も非常に良いので、上の写真のようにサランネットを外して使用するをおすすめします。
音質
DALI「SPEKTOR1」のウーハーユニットに使用されている、ウッドファイバーコーンの表面をあえて凸凹に加工し不均一にすることで、不要な共振を抑えているので、安定した低域を楽しめます。
また、超軽量のシルク素材がベースのシルク・ドーム・ツィーターは高域はもちろんですが、高域の中でも中域の音に近い部分もクリアに再生してくれるので、ウーハーユニットが出す音と共に低音から高音まで隙のない音を聞くことができます。
DALI「SPEKTOR1」はDALIの中でも非常にリーズナブルなスピーカーですが、音楽、映画、ゲームなどでも楽しめるジャンルを問わず対応できる優秀なスピーカーです。
DALI「MENUET MR」
DALIのブックシェルフスピーカーからもう1つおすすめしたいのは「MENUET MR」です。「MENUET MR」はDALIの中堅のスピーカーと言えるかもしれません。
スペック
「MENUET MR」の推奨アンプ出力は20~100W、インピーダンスは4Ω、再生周波数帯域は59Hz~25kHz、サイズは幅150㎜×高さ250㎜×奥行230㎜。
デザイン
「MENUET MR」のデザインは落ち着いた色を用いていて、木の質感も高級感のある仕上がりです。見ただけで、高いスピーカーだなと思わせてくれます。
サイズは高さ 250 × 幅 150 × 奥行 230mm。インテリアの雰囲気をグッと引き上げてくれる高級感をまとったスピーカーです。
音質
「MENUET MR」は全音域でバランスの取れたサウンドを鳴らしてくれます。
特に中音域に定評があり、評価通り女性ボーカルの艶のある雰囲気を見事に表現してくれます。
高音域も伸びがあり、聴いていて心地よく透明感があります。低音域もメインとなる60Hzあたりの音の圧も十分です。
クラシックやアコースティック、ゆったりしたサウンドが特徴の曲において本領を発揮してくれる印象です。半面、テクノ系のサウンドには不向きな印象です。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
「MENUET MR」は低域を十分に鳴らしてくれるスピーカーなので、「BASS」の調整で低域を増す方法もありますが、サブウーファーに「SUB E9F」を加えることもおすすめします。
やはり、低域の電気的負担を軽減させ「MENUET MR」に余裕を持たせる効果もあるので、追加する価値はあります。
SONY SS-HA1
「SS-HA1」はSONYの広指向性スーパートゥイーターを前面と上面に搭載されたアルミニウムキャビネットのスピーカー。通常、多くのスピーカーは直方体の形をしていますが、「SS-HA1」は音の濁りの原因となるバッフル形状の回折を排除。指向性を高め、自然で広い音場再生が魅力のスピーカー。
スペック
「SS-HA1」のスペックは推奨アンプ出力が100W、インピーダンスは4Ω、再生周波数帯域も48Hz~50KHzと申し分なし。
デザイン
「SS-HA1」はアルミニウムキャビネットのため、他のスピーカーと比べ、いくらか重厚感のあるデザイン。
サイズは外形寸法:幅185㎜x高さ312㎜x奥行312㎜。
音質
「M-CR612」に「SS-HA1」がおすすめな一番の理由はパラレルBTLドライブ使用時の全音域の解像度の高さ!
広指向性スーパートゥイーターが高音域を鮮明に鳴らし、上面からもバランス良く音が出るため、音の広がりが豊かです。
それだけでなく、剛性の高いアルミニウムキャビネットで作られているため、低音域からしっかり鳴り、輪郭のはっきりした低音を響かせてくれます。
「M-CR612」のパラレルBTLドライブをオンにすると、さらに音の解像度が上がり、低音域も高音域も非常に豊かに鳴らしてくれるので、目を閉じて聴くと、どのジャンルの音楽を聴いても、実際にその場にいるかのような音場を作り出します。
指向性が高い分、「SS-HA1」を置く環境によってサウンドが影響を受けますが、逆に言うと環境さえ整えるなら、「SS-AR2」などのSONY製の上位モデルスピーカーの音にも引けを取りません。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
低音域も十分に鳴らしてくれますが、もっとドスドス迫力の低音サウンドを聴かれたい方には、サブウーファーとして「SA-CS9」を購入されることをおすすめします。
「SA-CS9」は比較的安価なサブウーファーですが、バスレフ方式を採用しているので、低音の迫力は十分。
低音に必須なエンクロージャーの剛性も、試聴テストを繰り返し、13か所もエンクロージャーの補強を強化されているので、余計な振動は響きません。キレと迫力のある低音を楽しめます。
JBL「Stage A130」
アメリカの企業、ハーマンインターナショナルのJBLブランドから
「プロ直系の音質と優れたコストパフォーマンスを兼ね備えたスピーカーシステム」
と紹介されたSTAGEシリーズのブックシェルフスピーカー「Stage A130」。
ライブで使用する大型スピーカーやスタジオスピーカーのイメージがあるJBLですが、そういったプロ向けの技術を生かして製品化されたブックシェルフスピーカーです。
コスパ重視ならこのスピーカーが一番オススメです。
スペック
スペックは推奨アンプ出力が20~125W、インピーダンスは6Ω、再生周波数帯域も55Hz~40kHz。
デザイン
デザインはシックでシンプル。サイズは外形寸法:190W×321H×245Dmmとコンパクトなので、リビングや寝室、書斎に置いても馴染みやすく、万人受けするデザインです。
音質
「M-CR612」にJBLのスピーカー「Stage A130」をおすすめする一番の理由は、その低コストからは想像できないほどの全音域の解像度は高さ!。
「Stage A130」はJBLの特徴でもあるバスレフ型スピーカー。
バスレフ型スピーカーは驚くほどパワフルな低音を響かせてくれます。
また、低音域だけでなく、高音域もキレのあるパキッとした印象で、クリアなサウンドを響かせてくれます。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
なんといってもコストパフォーマンスの高さが魅力のJBL「Stage A130」。
サブウーファーに「STAGE SUB A100P」を加えても低いコストで、迫力満点の低音を楽しめます。
Klipsch「Reference R-50M」
オンキヨー&パイオニアが、「Klipsch」ブランドより発表したブックシェルフスピーカー「Reference R-50M」。
Klipsch独自の技術であるTractrix(トラクトリクス)ホーンが使用されたアルミニウムLTSツイーターの広指向特性が豊かな高音域を再生します。
スペック
推奨アンプ出力は75W。インピーダンスは8Ω。再生周波数帯域は58Hz – 21kHz。
デザイン
このスピーカーは是非ネットを外して使用して欲しい一台です。
Klipsch独自の技術であるTractrix(トラクトリクス)ホーンと独特の輝きを放つIMGウーファーが高級感を醸し出します。
スピーカーのサイズは幅 178mm x 高さ 354mm x 奥行き 229mmです。
音質
高音域はTractrix(トラクトリクス)ホーンが最初から見事に鳴らしてくれます。
しかし、IMGウーファーは最初に聴き始めた時はなにか物足らないと感じる方もおられるかもしれません。
最初は低音が深みがなくフラットな印象ですが、エイジングが進むにつれて深みのある低音域を奏でてくれるので、「Reference R-50M」は長く付き合うことでより味のある音を楽しむことができるスピーカーと言えます。
B&W「607 S2 AE」
B&W(Bowers & Wilkins)はイギリスの企業B&W Group Ltdによって製造される高級スピーカー専業ブランド。
そのブランドのエントリーモデルの「607 S2 AE」は、同社のフラッグシップラインである「800 D3シリーズ」に搭載された最新技術が盛り込まれたモデルです。
スペック
スペックは推奨アンプ出力は30W – 100W、インピーダンスが8Ω、再生周波数帯域は40Hz~33kHz。再生周波数帯域は紹介するブックシェルフスピーカー中では一番低いHzから対応しています。
後述もしますが、低音の再生周波数帯域が広い分、音の広がりや空気の伝わり方も豊かで、低音域がぼやけることなく引き締まった音を響かせてくれます。
デザイン
エントリーモデルとはいえ、そこはイギリスの高級スピーカー専業ブランド。
非常に質感が高く、「607 S2 AE」を置くだけでインテリアの雰囲気も上がる、高級感あふれるデザイン。サイズは外形寸法は165W×300H×231Dmm。
音質
「607 S2 AE」が「M-CR612」におすすめな一番の理由は、バイワイヤリング対応(バイアンプ接続可能)スピーカーだという点です。
「M-CR612」はバイアンプ接続対応なので、高音域は高音域で別のケーブルと内蔵アンプ、低音域は低音域で別のケーブルと内蔵アンプというセッティングになることで、ノイズの影響が受けにくく、よりクリアでピュアなサウンドを楽しめるからです。
「607 S2 AE」は、B&W ではエントリーモデルのスピーカーですが、とてもエントリーモデルとは思えないほどの音のクオリティの高さです。音の解像感が高く、精緻で厳格な描写が楽しめます。
また、音切れが良くレスポンスも爽快。低音はブックシェルフスピーカーでは、鳴らすのが難しいと言われていますが、「607 S2 AE」はベースやバスドラムのサウンドがぼやけることなく、しっかりと描かれています。
「607 S2 AE」を購入されるならパラレルBTLドライブではなくバイアンプ接続の方が音質がより鮮明です。
「607 S2 AE」は音を聴いてるとき、スピーカーから聴こえてくる感覚ではなく、各楽器の音像や音色が映像として聞こえてくる印象をうけます。
クラッシックやジャズなどの楽曲はもちろん、2ch構成で十分過ぎるほど、映画の迫力のサウンドを届けてくれます。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
「607 S2 AE」は2chだけでも、豊かにサウンドを届けてくれますが、さらに低音をしっかり聞きたい方はサブウーファーにB&W「ASW608」を足されることをおすすめします。
サイズは高さ:272mm(脚部含む)、幅:260mm、奥行:330mm(グリル+コントロール類含む)とサブウーファーの中では非常にコンパクトですが、そのサイズを感じさせない迫力の低音を鳴らしてくれます。
TANNOY「Platinum B6」
TANNOYはイギリスで創業された90年以上の歴史をもつ老舗オーディオブランド。その中の「Platinum B6」はエントリークラスに属する「Platinum」シリーズのモデルです。
スペック
「Platinum B6」のスペックは推奨アンプ出力は20W~80W、インピーダンスは8Ω、周波数特性は50Hz – 20kHz、能率は86㏈。サイズは幅230 × 高さ360 × 奥行235 mm。
デザイン
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ツートンカラーが印象的な「Platinum B6」。おしゃれでスタイリッシュなデザインなので、リビングルームに置いても、インテリアの雰囲気を損なうことはありません。
音質
「Platinum B6」は実際にコンサートホールで聴いているかのような音の響きとして伝え、臨場感を味わえる音を届けてくれます。表情が豊かで聴いていて楽しいスピーカーです。
その臨場感や表情を表現しているのが、1インチのシルクドームツイーターと6.5インチのマルチファイバーペーパーコーンです。
ツイーターはスムーズな音色でボーカルや楽器を細部まで正確に表現し、ペーパーコーンは低域を柔らかく厚みのある音として表現してくれます。
B&W 「607」と対照をなすスピーカーで、ハキハキと、くっきりした印象を与えるB&W「 607」に対し、柔らかく包み込むような、情感あふれるサウンドが魅力なのが「Platinum B6」です。
まとめ
「M-CR612」は、パラレルBTLドライブやバイアンプ接続対応など、マランツの音へのこだわりの強いアンプに仕上がっています。
今回おすすめしたスピーカーはどれも、そのマランツのこだわりに十分応えてくれますし、さらにアンプのランクを上げた時にも有用なスピーカーになってくれます。
是非、選択肢の一つに加えてみてください。
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