Marantzから2022年12月に新たなモデルとして発売されたAVアンプ「CINEMA 70s」。
MarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」はこれまでのAVアンプとはどのような点が進化したのか?特長は?機能は?
と、いろいろ気になっておられる方も多いと思います。
そこで今回はMarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」の機能や特長、これまでのモデルとの違いや、おすすめのスピーカーについてご紹介したいと思います。
- MarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」の主な特長
- Marantz AVアンプ「CINEMA70s」におすすめなスピーカーはこれ!
- おすすめスピーカーのまとめ。
MarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」の主な特長
MarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」の主な特長をまとめてみましょう。
- 新世代のマランツデザイン
伝統的なデザインを受け継ぎながら、現代的な解釈により生み出された新しいハウジング。 - Dolby Atmos、DTS:X、MPEG-4 AAC に対応
新世代の 3D オーディオに加え、新 4K/8K 衛星放送の音声フォーマットにも対応。 - 7ch フルディスクリート・パワーアンプ
スリムデザインながら実用最大出力 100W(6Ω、1 kHz、THD 10%、1ch 駆動)を実現。
バイアンプ駆動にも対応。 - 8K / 60Hz、4K / 120Hz、HDR10+、HDCP 2.3、eARC に対応
最新の映像コンテンツを楽しむための新規格に幅広く対応。6 入力中 3 入力が 8K/60Hz、4K/120Hz に対応。 - HEOS テクノロジーを搭載した先進のネットワーク機能
ストリーミング(Amazon Music HD、AWA、Spotify)、インターネットラジオ、ハイレゾファイル再生。 - 充実したワイヤレス機能でWi-Fi、AirPlay 2、Bluetooth®、Alexaに対応
ワイヤレスで手軽にミュージックストリーミング。Bluetooth 送信にも対応。音声でハンズフリー操作。 - 以前より美しく、使いやすく洗練されたインターフェース
HD GUI、セットアップアシスタント、Marantz AVR Remote アプリ、スマートセレクト機能。
以上がMarantzのAVアンプ「CINEMA 70s」の主な特長ですが、ここからは上記の点も踏まえ特筆すべき点を詳しくご紹介します。
「CINEMA 70s」は誰に向けて開発されたのか?
マランツ・ブランドマネージャーの高山健一氏が、
「今までのオーディオファンだけが楽しむものから、家族の誰しもが楽しめるものにしたい。そのためにはリビングと調和するデザイン性が大切です。隠すのではなく、誇りを持っていただけるようなデザインにこだわりました」
と語っておられるように、今はストリーミングサービスが充実し、より多くの人が高品質の映像や音楽に触れる機会が増えました。
そのため「CINEMA 70s」は現代の多くの人が求めてる「使いやすく」、「デザイン性が高い」、「高品質」という点を抑え、玄人も含めより多くの映像コンテンツを楽しむ方に向けて開発されたAVアンプと言えます。
「CINEMA 70s」に与えられた新世代のマランツデザイン
「CINEMA 70s」には2020 年に発売された「MODEL 30 / SACD 30n」、 2022年3月に発売された「MODEL 40n」と同様に、新世代のマランツを象徴する筐体デザインが与えられています。
このデザインはマランツの伝統的なデザイン要素を継承し、現代的な解釈で再構築されデザインされたものです。
オーナーの住空間に個性をプラスするものの、もともとの雰囲気は損なわないデザインとなっています。
このデザイン変更に伴い変化した点。
デザイン変更に伴い機構設計が見直されました。
マランツのサウンドマスター・尾形好宣氏によると「モデルチェンジでは”手を出せない部分”がある」ため、AVアンプを新たに開発することで、より最適化されたボディ、トップカバー、シャーシ、鋼板を固定するネジが使用され、全体的な品質が大きく向上しています。
「CINEMA 70s」は「NR1711」の後継機モデル?
違います。
「CINEMA 70s」サイズは幅442x高さ109x奥行384 mmとほとんど「NR1711」(幅440x高さ105x奥行378 mm)と同等なので後継機モデルと感じられるかもしれませんが、「NR1711」の薄型AVアンプというコンセプトは継承しているものの、「NR」、「SR」シリーズの後継というわけではなく、新規に規格・開発されたシリーズとなっています。
7.2ch プリアウトを装備
「CINEMA 70s」は7.2ch プリアウトを装備しているため、外部パワーアンプの追加による音質向上や、パワーアンプダイレクト入力のあるプリメインアンプとの組み合わせによる、Hi-Fi オーディオシステムとのフロントスピーカーの共有が可能です。
また、広い部屋で使用する場合には、サブウーファーを 2 台接続してより厚みのある低音を再生することもできます。
6 入力中 3 入力が 8K/60Hz、4K/120Hzパススルーに対応
「CINEMA 70s」には、6つHDMI端子のうち3つが8K/60Hz、4K/120Hzパススルーに対応しているため、高画質、高音質で映像コンテンツを楽しめます。
もちろん最新の著作権保護技術「HDCP2.3」にも対応。
HDCP(High-Bandwidth Digital Content Protection)とは?
HDCPとは”インテルが開発した暗号化技術で、HDMI®やDisplayPort™などのデジタルインターフェースで高解像度映像や音声を伝送する際にデジタルコンテンツを暗号化し、映像・音声情報の盗聴を防止することができるもの。”
つまり、ブルーレイやNetflixの映像など、HDCPで保護された映像・音声情報を視聴する場合、最新の著作権保護技術「HDCP2.3」に対応していないと、本来の高画質より劣化した画質で視聴することになったり、視聴すらできないという問題が生じてしまいます。
最新の映像コンテンツを楽しむには必須の機能です。
非常に便利なHEOS テクノロジー
最近のマランツのAVアンプで非常に便利なのが「HEOS テクノロジー」。
「CINEMA 70s」ももちろん対応。
無料のHEOSアプリを使用することで、同じネットワーク上の音源にアクセスすることが可能。Amazon Music HDやSpotify、AWAなどから簡単に音楽を楽しめます。
ゲーム&VR体験の質を向上させるALLM、VRR、QMS、QFTに対応
「CINEMA 70s」は、HDMI 2.1の新機能「ALLM(Auto Low Latency Mode)」に加え、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QFT(Quick Frame Transport)」、「QMS(Quick Media Switching)」に対応。
PS5、Xboxなどのハイスペックな次世代ゲーム機や超高画質のテレビにも対応した、ストレスフリーに楽しめる超高画質・高音質AVアンプとなっています。
コンテンツの種類に応じて画質とレイテンシー(通信の遅延時間)のどちらを優先するかを自動で切り替える機能。
例えば、ゲームやVRコンテンツは再生する際にレイテンシーを最小に(遅延時間を短く)し、操作に対して、画質が遅れないように自動で調節する機能。
PCやゲームなどの映像のソースとなる機器と映像が出力されるディスプレイを同期させ、ディスプレイのチラツキ具合の他、動画やゲームでの滑らかな動きを計る働きをします。
PCやゲームなどの映像のソースとなる機器からの電送速度を上げることで、レイテンシーを低減させる機能。これにより、ゲームやVR機器の映像をスムーズかつシームレスに楽しめます。
映像ソース機器とディスプレイのリンクを維持したままブラックアウトや画像の乱れを回避する機能です。
従来HDMIでリンクしている映像のソースとなる機器とディスプレイ機器において、映像ソース機器がフレームレートを切換えたり、あるいは解像度を切り換えたりすると、ブラックアウトや画像の乱れなどが生じましたが、この「QMS」により解消されます。
「CINEMA 70s」と「NR1711」の違い
おそらく一番比べられるのが、同じ薄型AVアンプである「NR1711」。
まずは「CINEMA70s」と「NR1711」の簡単な比較表を作成してみました。
「CINEMA70s」 | 「NR1711」 | |
価格 | 154,000円(税込) | 119,900円(税込) |
ch数 | 7ch | 7ch |
アンプ構成 | フルディスクリート | フルディスクリート |
アンプ出力 | 実用最大出力100W(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch 駆動) | 実用最大出力100W(6 Ω、1kHz、THD 10%、1ch 駆動) |
HDMI端子 | 端子数6。入力3、出力1系統が8K/60pおよび4K/120p映像信号のパススルーに対応 | 端子数6。入出力1系統が8K/60pおよび4K/120p映像信号のパススルーに対応 |
対応フォーマット | Dolby Atmos、DTS:X | Dolby Atmos、DTS:X |
バイアンプ駆動 | 〇 | 〇 |
質量 | 8.7kg | 8.3kg |
この比較表を見ると、「え?ほとんど変わらない?」と思われるかもしれません。
しかし、「CINEMA70s」と「NR1711」の違いは使用されている内部のパーツや、シャーシ、トップカバー、インシュレーター、ネジ、ディスプレイなどに現れていて、その違いが音質に大きな影響を及ぼしています。
「CINEMA70s」の専用設計。
どのような専用設計がなされているのかMarantzから公表されている点を列挙しました。
- インシュレーター
肉厚のリブを入れ、楕円形で平行面を無くしたものに変更。 - ディスプレイ
以前は蛍光管でしたが、モノクロ有機ELになり、小さくても高解像度。
自発光であるため視認性が高く、ボリューム操作時に表示を大きくする工夫も。 - ディスクリートアンプのパーツに、より高品質、高音質なものを投入。
- 電源に専用設計のカスタムコンデンサーを投入。
高速で安定した電源供給が可能に。 - トップカバー、サブシャーシ、サイドパネル、固定ネジの材質や厚さなど全面改良。
「CINEMA 70s」と「NR1711」の音質の違い。
「NR1711」から「CINEMA 70s」へと買い替えた方に多く見られるコメントが「中低音域の厚みや迫力、解像度が増した」という点。
確かにアンプ自体の剛性も上がり、電源もより安定して供給されるようになり、「CINEMA 70s」本体のビビりも減っているので、中低音域の音質は「NR1711」に比べ大幅に向上しています。
「NR1711」も2ch再生で広い音場、キレの良い低域、マランツらしい中高域を再生できる非常に優秀なAVアンプですが、「CINEMA 70s」はそれプラス音の土台がしっかりした印象です。
簡単に説明すると「NR1711」には音質がアップする Pure Direct モードが搭載されていますが、そのモードをオンした状態が「CINEMA 70s」の通常運転というイメージです。
また、ゲーム分野では「グランツーリスモ」や「スプラトゥーン」などをプレイしてみましたが、臨場感と音の立体感に驚かされます。「え?こんな音まで出てるの?」と声が漏れるほどです。
「CINEMA 70s」と「NR1711」どっちがおすすめか?
- コストを抑えて10万円台でスピーカーも含め揃えたいなら「NR1711」がおすすめ。
- スピーカーはすでに持っていてAVアンプをグレードアップしたい方は「CINEMA70s」。
- 音質基準で考えるなら間違いなく「CINEMA70s」の方がおすすめ。
- デザインや使いやすさ重視の場合でも「CINEMA70s」がおすすめ。
Marantz AVアンプ「CINEMA70s」におすすめなスピーカーはこれ!
Marantz AVアンプ「CINEMA70s」に合うおすすめなスピーカーをリーズナブルな価格からピュアオーディオに対応できるものまでご紹介します。
Klipsch「Reference R-51M」
オンキヨー&パイオニアが、「Klipsch」ブランドより発表したブックシェルフスピーカー「Reference R-51M」。
Klipsch独自の技術であるTractrix(トラクトリクス)ホーンが使用されたアルミニウムLTSツイーターの広指向特性が豊かな高音域を再生します。
価格は比較的リーズナブルで約40000万。
スペック
推奨アンプ出力 | 85Wまで |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 62Hz – 21kHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 幅 178 x 高さ 338 x 奥行き 215 |
デザイン
このスピーカーは是非ネットを外して使用して欲しい一台です。
Klipsch独自の技術であるTractrix(トラクトリクス)ホーンと独特の輝きを放つIMGウーファーが高級感を醸し出します。
音質
高音域はTractrix(トラクトリクス)ホーンが最初から見事に鳴らしてくれます。
しかし、IMGウーファーは最初に聴き始めた時はなにか物足らないと感じる方もおられるかもしれません。
最初は低音が深みがなくフラットな印象ですが、エイジングが進むにつれて深みのある低音域を奏でてくれる長く付き合うことでより味のある音を楽しむことができるスピーカーです。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
スピーカーにKlipsch「Reference R-51M」を使用し、映画などを楽しむならさらにサブウーファーとしてKlipsch「R-100SW」追加するのもおすすめです。
サイズは幅 31.8 cm x 高さ 36.8 cm x 奥行き 41.7 cm。迫力の重低音サウンドを楽しめます。
DALI「OBERON1」
DALI(ダリ)はデンマークのスピーカーブランド。
中でも「OBERON1」は世界中で高い評価を得ているスピーカーで、日本でも圧倒的な人気を誇っています。
価格はペアで約50000円ほど。
スペック
推奨アンプ出力 | 25~100W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 51Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×274×234 |
デザイン
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デザインは流行り廃れのないスタイリッシュな北欧デザイン。
ブックシェルフ型スピーカーなのでサイズもコンパクト。
外形寸法は高さ 274 × 幅 162 × 奥行 234mmと置き場所にも困りません。
音質
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「CINEMA70s」にDALIのスピーカー、「OBERON1」をおすすめする一番の理由は、音質のバランスの良さ!低音域から高音域までクリアに鳴らし切ってくれます。
曇った音の感じは一切なく、透明感のあるサウンドですが、キレがあるというより角のない音を楽しめるスピーカーです。
ネットワーク機能を通じて、今まで聞いてこなかったジャンルの曲をかけても、十分にその曲を楽しめるサウンドを鳴らしてくれます。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
今後サラウンド環境を整えていくうえで低音域のサウンドを厚みのあるものにしたいなら、サブウーファーに「SUB E9F」を加えることをおすすめします。
「SUB E9F」が電気的に負担の大きい低音を鳴らしてくれるので、「OBERON1」の低音域に余裕が生まれ、「OBERON1」もより豊かなサウンドを響かせてくれるでしょう。
DALI「MENUET MR」
もう一つDALIのブックシェルフスピーカーでおすすめしたいのは「MENUET MR」です。「OBERON1」は年齢に例えると若いスピーカーで、「MENUET MR」は中堅のスピーカーと言えるかもしれません。価格はペアで約98000円ほどです。
インピーダンスが4Ωですが、「CINEMA70s」のコンデンサーであれば十分鳴らすことができます。
スペック
推奨アンプ出力 | 20~100W |
インピーダンス | 4Ω |
再生周波数帯域 | 59Hz~25KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 150×250×230 |
デザイン
「MENUET MR」のデザインは落ち着いた色を用いていて、気の質感も「OBERON1」と比べさらに高級感のある仕上がりです。見ただけで、高いスピーカーだなと思わせてくれます。
サイズは高さ 250 × 幅 150 × 奥行 230mmなので、「OBERON1」よりもさらにコンパクトですが、中身は「OBERON1」を遥かに凌ぎます。
インテリアの雰囲気をグッと引き上げてくれる高級感をまとったスピーカーです。
音質
「MENUET MR」は全音域でバランスの取れたサウンドを鳴らしてくれます。
特に中音域に定評があり、評価通り女性ボーカルの艶のある雰囲気を見事に表現してくれます。
高音域は伸びがあり、聴いていて心地よく「OBERON1」よりさらに透明感があります。
低音域もメインとなる60Hzあたりの音の圧も十分です。
クラシックやアコースティック、ゆったりしたサウンドが特徴の曲において本領を発揮してくれる印象です。半面、テクノ系のサウンドには不向きな印象です。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
「MENUET MR」は低域を十分に鳴らしてくれるスピーカーなので、「BASS」の調整で低域を増す方法もありますが、「OBERON1」と同様にサブウーファーに「SUB E9F」を加えることもおすすめします。
やはり、低域の電気的負担を軽減させ「MENUET MR」に余裕を持たせる効果もあるので、追加する価値はあります。
JBL「Stage A130」
アメリカの企業、ハーマンインターナショナルのJBLブランドから
「プロ直系の音質と優れたコストパフォーマンスを兼ね備えたスピーカーシステム」
と紹介されたSTAGEシリーズのブックシェルフスピーカー「Stage A130」。
ライブで使用する大型スピーカーやスタジオスピーカーのイメージがあるJBLですが、そういったプロ向けの技術を生かして製品化されたブックシェルフスピーカーです。
コストパフォーマンス重視で、パワフルなサウンドが好みの方にはおすすめのスピーカーです。
価格は17000 – 22000円ほどです。
スペック
推奨アンプ出力 | 20~125W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 55Hz~40KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 190×321×245 |
デザイン
デザインもシックなデザインでまとまっていますし、外形寸法が高さ 321 × 幅 190 × 奥行 245mmとコンパクトなので、リビングや寝室、書斎に置いても馴染みやすく、悪目立ちすることはありません。
音質
「CINEMA70s」にJBLのスピーカー「Stage A130」をおすすめする一番の理由は、その低コストからは想像できないほどパワフルなサウンド!
中音域の厚みはもちろん、「Stage A130」はJBLの特徴でもあるバスレフ型スピーカーが鳴らす驚くほどパワフルな低音は、アンプ側で調整しないといけないほどです。
また、高音域もキレのあるパキッとした印象で、クリアなサウンドを響かせてくれます。
どのスピーカーを買えばいいかわからないという方には、リーズナブルなスピーカーなのに高音質な「Stage A130」はおすすめです。
向いている楽曲は、ジャズやロック、カフェミュージックなどです。
YAMAHA「NS-F700」
YAMAHAの「NS-F700」はA-PMD(Advanced Polymer Injected Mica Diaphragm)振動板を採用した16cmウーファーと13cmミッドレンジ、振動板とボイスコイルボビンを高精度に一体成形したDC-ダイヤフラム方式ドームツィーターによる本格的3ウェイ構成のフロアスタンディングスピーカー。
量感と切れ味を両立したパワフルな中低域再生と、100kHzまでの高音域を綺麗に再生してくれます。
スペック
推奨アンプ出力 | 40~160W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 45Hz~100KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 354×1012×374 |
デザイン
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「NS-F700」は非常にスタイリッシュ個性的なデザインが魅力です。独特の天面のラウンドフォルムやピアノブラックカラーが高級感を引き立たせます。リビングルームに置いた時の迫力は圧巻。
音質
「CINEMA70s」に「NS-F700」がおすすめなのは、高音域の表現力の豊かさ。中音域から高音域のつながりも美しく、スーッと綺麗に高域まで鳴らしてくれます。
女性ボーカルの高音域でもまだまだ余裕があるという感じです。音楽から映画に至るまでどのジャンルでも十分に楽しむことができるスピーカーです。
しかし、気をつけたいのはエージングがより重要なスピーカーであること。
このスピーカーは様々なレビューで酷評されることもあるのですが、その大半の原因はエージング不足。
どのスピーカーでも言えることですが、一般的に100時間はスピーカーから音を鳴らし(小さいボリュームでも可)、スピーカーの慣らし運転(エージング)が必要です。
エージングが終わればスピーカーの躯体、本体、配線等が馴染み、良い音を楽しむことができます。
JBL「STUDIO 620」
JBLからもう一組是非ともおすすめしたいブックシェルフスピーカーはJBL「STUDIO 620」です。
JBLが2019年から発売開始したJBL 「Studio 620」は、”オーディオファンのあらゆる望みを叶えるスピーカーシステム”として紹介されているスピーカーで、「Studio 620」なら家でコンサートグレードのサウンド楽しめます。価格は約60000~70000円。
スペック
推奨アンプ出力 | 100W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 50Hz~40KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 190×312×240 |
デザイン
デザインはStageA130とは違いラウンド型。質感が高く、高級感があります。カラーも落ち着いた木目なので、リビングルームだけでなく寝室などに置いても違和感はありません。サイズは奥行 240mm × 幅 190mm × 高さ 312mm。
音質
「CINEMA70s」に「STUDIO 620」をおすすめする理由は、中音域の解像度の高さと厚みにあります。「Stage A130」でもそうですが、JBLのスピーカーは価格が安いスピーカーでも中音域の解像度と厚みにこだわって作られています。そのため、どれだけ多くの楽器が鳴っていても十分に鳴らしてくれます。
高音域は、「柔らかい」というより「硬く鋭い」という印象で、はっきりとした音。
また、このスピーカーはバスレフ型で剛性も高いので、輪郭のはっきりした低音を出してくれます。
管楽器やクラシック、ジャズやピアノなど「じっくりと聞く」音楽に向いているスピーカーと言えるでしょう。
B&W「607 S2 AE」
B&W(Bowers & Wilkins)はイギリスの企業B&W Group Ltdによって製造される高級スピーカー専業ブランド。そのブランドのエントリーモデルの「607 S2 AE」は、同社のフラッグシップラインである「800 D3シリーズ」に搭載された最新技術が盛り込まれたモデル。
価格は約90000円。
スペック
推奨アンプ出力 | 30~100W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 40Hz~33KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 165×300×231 |
デザイン
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エントリーモデルとはいえ、そこはイギリスの高級スピーカー専業ブランド。非常に質感が高く、「607 S2 AE」を置くだけでインテリの雰囲気も上がる、高級感あふれるデザイン。
しかもサイズは高さ 300 × 幅 165 × 奥行 231mmと非常にコンパクトなので、置き場所を選ばないのも魅力です。
音質
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「CINEMA70s」にB&W「607 S2 AE」をおすすめする一番の理由は、全体的なクオリティの高さです。
音の解像感が高く、精緻で厳格な描写が楽しめるのがこのスピーカーの大きな特徴。
こんな音も鳴っていたのかと、今まで聞いていた音楽に新たな発見と感動を与えてくれます。
また、音切れが良くレスポンスも爽快。
ブックシェルフスピーカーでは、低音を鳴らすのが難しいと言われていますが、「607 S2 AE」はベースやバスドラムのサウンドがぼやけることなく、しっかりと描かれています。
再生周波数帯域が広い分、音の広がりや空気の伝わり方も豊かで、低音域がぼやけることなく引き締まった音を響かせてくれます。
クラッシックやジャズなどの楽曲はもちろん、どんな音源でも目の前で実際に聴いているかのようなサウンドを届けてくれます。ただし、「607 S2 AE」よりワンサイズ大きいブックシェルフスピーカーの「606」と比べるなら、ボーカルに特化しているのが「607 S2 AE」、オーケストラサウンド向けなのが「606」という印象です。
もう少しスピーカーのサイズ感と迫力、余裕がもっと欲しい方には「606」がおすすめです。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
「607 S2 AE」は2chだけでも、豊かにサウンドを届けてくれますが、もし低音を足されたいなら、サブウーファーにB&W「ASW608」を足されることをおすすめします。
TANNOY「Platinum B6」
TANNOYはイギリスで創業された90年以上の歴史をもつ老舗オーディオブランド。その中の「Platinum B6」はエントリークラスに属する「Platinum」シリーズのモデルです。価格はペアで約80000~90000円以下。
スペック
推奨アンプ出力 | 20~80W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 50Hz~20KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 230×360×235 |
デザイン
「Platinum B6」の木目とブラックのツートンカラーがおしゃれでスタイリッシュで目を惹きます。ブックシェルフスピーカーとしては少し大きめですが、リビングに置くなら最適なサイズ。サイズは 高さ 360 × 幅 230 × 奥行 235 mm。
音質
「Platinum B6」はTANNOYのエントリーモデルとは言え、やはり老舗オーディオブランドの音質の高さは素晴らしいものがあります。「CINEMA70s」から送られる音源を「Platinum B6」は実際にコンサートホールで聴いているかのような音の響きとして伝え、臨場感を与えます。表情が豊かで聴いていて楽しいスピーカーです。
その臨場感や表情を表現しているのが、1インチのシルクドームツイーターと6.5インチのマルチファイバーペーパーコーンです。ツイーターはスムーズな音色でボーカルや楽器を細部まで正確に表現し、ペーパーコーンは低域を柔らかく厚みのある音として表現します。
B&W 「607」と対照をなすスピーカーで、ハキハキと、くっきりした印象を与えるB&W「 607」に対し、柔らかく包み込むような、情感あふれるサウンドが魅力なのが「Platinum B6」です。
ELAC「Debut Rererence DBR 62」
次に「CINEMA70s」におすすめしたいスピーカーはELAC「Debut Rererence DBR 62」です。本製品は“Debutシリーズ”のうち、日本未発売の2ウェイ/ブックシェルフ型モデル「Debut B6.2」をベースとして、スピーカーエンジニアのアンドリュー・ジョーンズ氏がチューンを加えたというスペシャルモデル。価格はペアで約75000~88000円。
スペック
推奨アンプ出力 | 最大120W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 44Hz~35KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 208×359×275 |
デザイン
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「Debut Rererence DBR 62」サイズは高さ 359 × 幅 208 × 奥行 275mm。幅が約20㎝とスリムなので、TVの横やちょっとしたスペースにも置きやすいサイズです。レトロな外観なので落ち着いた雰囲気を醸し出します。
また、フロントバスレフ型なので、設置する場所の後ろの壁との距離をあまり気にしなくて良いのも魅力です。
音質
「Debut Rererence DBR 62」を「CINEMA70s」におすすめする一番の理由は、歪みがなく広いリスニングスポットをもつクリアな高音域を持っているからです。
ERACの上位モデル“VELAシリーズ”にも採用されるウェーブ・ガイドによりその高音域が可能になりました。しかし、高音域だけがこのスピーカーの魅力ではありません。
ベースとなった「Debut B6.2」も海外では非常に評価の高いエントリークラスのスピーカーですが、この「Debut Rererence DBR 62」は剛性強化とバッフル強化よる振動対策より、「Debut B6.2」と比べ全体的な音のクオリティが格段に向上しています。
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海外の「DBR 62」のレビュー記事でも触れられていますが、「Debut Rererence DBR 62」のサウンドは耳に馴染む自然なサウンドです。そのため、激しい曲調の音よりも、ジャズやボーカルを多用しているゆったりとした曲の方が表現するのに向いています。
トップとサイドのパネルのジョイント方法を見直し、エンクロージャーの強度が格段に向上した結果、ボイスやギターなどの中音域を忠実に再現し、フォークやジャズの音を忠実に再現してくれるスピーカーとなっています。
さらにスピーカーをプラスするならこれがおすすめ!
「Debut S10.2」 パワード・サブウーハーをメイン・スピーカーに加えることにより、これまで聴いたことのない低域を楽しむことができます。
200Wの出力を持つこのサブウーハーは、低域の再生周波数帯域を引き締め、ライヴ・パフォーマンスに匹敵するクオリティを引き出してくれます。
DALI「OBERON5」
DALIからおすすめしたいトールボーイスピーカーは「OBERON5」です。
このトールボーイスピーカーはDALIから
究極のパフォーマー
と紹介されているほどのポテンシャルをもったトールボーイスピーカーです。
スペック
推奨アンプ出力 | 30~150W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 39Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×830×283 |
デザイン
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非常に精錬されたデザイン、サイズも高さ830mm × 幅162mm× 奥行283mmとトールボーイ型スピーカーの中では比較的コンパクトなので、リビングルームだけでなく、寝室でも圧迫感なく置けます。
音質
「OBERON5」の音質ですが、ピアノの伴奏とボーカルの帯域の表現力の高さは多くの方に高く評価されています。
低音域は深みがあり、オルガンやコントラバスなどの低い音も見事に表現してくれます。
中音域はクリアな印象で、それぞれの音がはっきりわかれて聴こえるのが、好印象でした。
また、「OBERON5」は広い指向性を持っているのも特徴です。
一つのスポットでしかベストサウンドを楽しめないということはなく、広いスポットで楽しめます。
映画やライブを見ているとき、リビングのどこにいてもベストサウンドを聴けるのは魅力的です。
ライブサウンド、R&B、女性ボーカルメインの楽曲が好きな方におすすめです。
これからミドルクラスのトールボーイスピーカーを聞いてみたいと思っておられるには、最初に購入するトールボーイスピーカーとしてもおすすめです。
B&W「603」
次に「CINEMA70s」におすすめしたいトールボーイスピーカーはB&Wのフラッグシップモデルである800 Series Diamondに初めて搭載されたContinuumコーンを搭載されたB&W「603」です。
スペック
推奨アンプ出力 | 30~200W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 29Hz~33KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 320×1055×370 |
デザイン
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ブックシェルフスピーカーの「607」と同じく、非常に高級感のあるデザインです。部屋に置くだけで全体的に高級感を増してくれる佇まい。
サイズは幅 320mm x 高さ 1055mm x 奥行 370mmで比較的大きめでフロア型に近いサイズです。
トールボーイスピーカーは設置の際に壁から距離を話す必要もあるので、「OBERON5」と比べると設置場所を選ぶかもしれません。
音質
DALIのスピーカーと何かと比較されることの多いB&Wのスピーカー。
DALIのもつ音質は一言で表現すると「柔らかい」。
それに対しB&Wは「メリハリがはっきりしている」というイメージです。
よりリアルなサウンドを求められる方には、B&W「603」の方がおすすめです。
ただし、エイジングが進んでいないと求めているサウンドとは違う印象を受けるので、エイジングがある程度進むまでは忍耐力が必要です。
しかし、ひとたびエイジングが進めば、音声や楽器の音を高精度で忠実に再現できるミドルクラスのトールボーイスピーカーの中ではB&W「603」が特におすすめと言えます。
おすすめスピーカーのまとめ。
最後にそれぞれのスペックとサイズをまとめてみましょう。
Klipsch「Reference R-51M」
推奨アンプ出力 | 85Wまで |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 62Hz – 21kHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 318 x 368 x 417 |
DALI「OBERON1」
推奨アンプ出力 | 25~100W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 51Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×274×234 |
DALI「MENUET MR」
推奨アンプ出力 | 20~100W |
インピーダンス | 4Ω |
再生周波数帯域 | 59Hz~25KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 150×250×230 |
JBL「Stage A130」
推奨アンプ出力 | 20~125W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 55Hz~40KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 190×321×245 |
YAMAHA「NS-F700」
推奨アンプ出力 | 40~160W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 45Hz~100KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 354×1012×374 |
JBL「STUDIO 620」
推奨アンプ出力 | 100W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 50Hz~40KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 190×312×240 |
B&W「607 S2 AE」
推奨アンプ出力 | 30~100W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 40Hz~33KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 165×300×231 |
TANNOY「Platinum B6」
推奨アンプ出力 | 20~80W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 50Hz~20KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 230×360×235 |
ELAC「Debut Rererence DBR 62」
推奨アンプ出力 | 最大120W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 44Hz~35KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 208×359×275 |
DALI「OBERON5」
推奨アンプ出力 | 30~150W |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 39Hz~26KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 162×830×283 |
B&W「603」
推奨アンプ出力 | 30~200W |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 29Hz~33KHz |
サイズ(幅×高さ×奥行)㎜ | 320×1055×370 |
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